モータースポーツ後進国、日本。
みなさまお久しぶりです。テクニカルディレクターの澤田です。
今回はタイトルの通り少し批判的な内容になりますので苦手という方はブラウザバックすることを推奨いたします。
もともと今回はメルセデスCクラスとBMW3シリーズとアウディA4の試乗比較レポートを書く予定でしたが、このような記事を目にしたため内容を変更しました。
この記事を要約すると、今までホンダ系ドライバーとして活躍していたM選手が日本に帰国し、今年はスーパーフォーミュラ(以下SF)に参戦しようとしていて、チームも起用しようと考えていたが、ホンダ(エンジンサプライヤー)がそれを拒否しているということです。
どうしてこのようなことが発生しているのかを詳しく説明します。
M選手の2021年の契約が最初に決まったのが日産のチームからGT500のレースに出るというものでした。
またそのあと、ホンダのエンジンを使うチームからSFのオファーをもらいました。
しかし、ここでエンジンサプライヤーのホンダからストップがかかりました。
ホンダからしてみると、GT500は日産のチームから参戦してSFにもホンダから参戦するというのは許せないことなのでしょう。
というのもGT500とSFでは使うエンジンは同じであり、SFでホンダエンジンを使われてしまうと日産にエンジンの情報が流れてしまう恐れがあります。
そういった理由でこのような問題が起きているわけです。
しかし、考えてみてください。
細かい契約の話は分かりませんが、M選手はSFの"チーム"と契約しているわけであって、エンジンサプライヤーはあくまでエンジンを提供しているだけであって、ドライバーを選択する権利はあるのでしょうか。
GP2エンジン発言をした某ドライバーにインディカーでエンジン供給を拒否したのも同じ話です。
いくら印象が悪かったとしてもそのドライバーに嫌がらせまがいのことをしてもいいのでしょうか。
また技術的な面においては、ホンダとしても日産に情報が流れるかわりに日産の情報を得られるのではないでしょうか。
それにF2で世界で戦い、実績も十分残してきたドライバーに乗ってもらうことで良いフィードバックがもらえるのではないでしょうか。
それともホンダ系ドライバーとしてもともとやっていたM選手への嫌がらせ?
最後に僕が何が言いたいのかというと日本のモータースポーツ(のトップカテゴリー)はすべての企業が閉鎖的で足の引っ張り合いしかしていないということです。
野球を例に出すと、ダルビッシュ選手が言っていましたが、パリーグは全チームがお互いに高めあうという意識がある(他チームのトレーナーが他チームの選手に教えてあげるなど)のに対し、セリーグは閉鎖的で他チームの足を引っ張っている(ジムを貸してあげないなど)そうです。
その結果このような大きな差となってしまったといいます。
今の日本のモータースポーツ(のトップカテゴリー)は後者だと思います。
学生フォーミュラではどんなライバルであれ、聞かれたことをすべて丁寧に教えてあげるというライバル間での高めあう精神があります。(どんなにお金をかけて得たデータでも教えあいます)
そのような精神が日本のモータースポーツ界では微塵も感じられません。
ドライバー育成だって、スクールと言いつつ入社試験といっても過言ではない仕組みになっています。
今回はホンダが騒がれていますが、結局同じ立場になれば日産だろうがトヨタだろうが同じ対応を取ったであろうと思います。
これを機に日本のモータースポーツ界は変わるべきです。
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2021.02.26 | Comments(1) | 未分類